たちばな翔@技術アドバイザー

某大手製造会社の現役製造技術/ 100年に1度の工場改装プロジェクトや新機種開発、海外への業務支援を通して培った、「モノづくり」の本質と「課題解決力」と「チーム力」の大切さを伝えていきたい 。/ 相談無料のコンサルタントもしています。ご連絡お待ちしております。

品質問題の根本

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最近巷を騒がしている品質問題。

 

神戸鉄鋼の不正に始まり、自動車業界、KYBの不正、色々あった。

 

そもそも何故不正が起こるのか。

 

1つは組織の急激な肥大化。

 

最近は色々な技術が目まぐるしく進化し各企業取り入れ始めている。

そして同時に過渡期は業務ボリュームが増える。そうなると組織は細分化される。

 

もしあなたが最近不正した企業の1つに勤めているなら考えて欲しい。

ここ10年で新しい組織は出来ていませんか?

 

2つめ、規格類が整備されていない。

 

これは時代もあるだろうが、昔からある会社の規格は新人が見てすぐ分かるようにできていない。無駄に難しく書いてあったりメンテされてなかったり。

 

もちろんISOを取得している企業であれば規格類はちゃんと整理されて、審査というチェックがある。

ただこの審査はルールに基づけば品質が保たれるのか、という視点。

 

だれでもこのルールを理解して実行可能なのかは見ていない。

 

 

そしてこの上記2つ(組織の肥大化、規格の理解)が組み合わさると、規格は目的を失い始める。内容だけが形骸化され、厳密には現状に則さないルールとなってくる。

 

そして不正という形で露出するという訳だ。

有意識、無意識に関わらずね。

 

ほとんどの不正と言われる類はこのような流れで起こっている。

 

そしてこれは先代のツケという場合もある。

技術は目で盗めとか、習うより慣れろという時代はその人の技術が先行し、技術はある程度引き継がれるだろう。

しかし、それでその人の経験を100学ぶのは不可能で、そこに綻びが生じてくる。

 

仮にそれで本来守るべき手順を省きたまたま成功したとしよう。

その省かれた技術で作られたものは一見問題ないように見える。これが次の世代へと引き継がれていく。

こうなると本来の目的を失った技術が伝搬されていく。

 

このような経緯で品質の悪化を招くケースも少なくない。

 

人から人に何かを伝える、教える際はその人の能力の30%程しか伝わってないと思った方がいい。これは教わる側ではなく教える側の問題だ。それを理解せずに精神論、根性論だけの技術伝搬を行っていたら、日本は今後も衰退の道を辿るだろう。

 

以上